ホテルバイトの最後の仕事、朝番への引継ぎ。
あいつが来る、次男・貴。
さんざんいたぶってくれたあいつ、憎悪っていうのを
教えてくれたあいつ、会いたくなかったわ。
でも最後くらい普通に接してくれるかなってちょっと思っていて
でもそんなん甘かったわ。もうほんまにいいわ…
もう会わないから思い出したくもないけど、書かせて。


「はぁ?誰が辞めるねん?」
貴振り返る。
「おまえだれじゃ?」
怒りを抑えて
「ありがとうございました…」
って言うと
「なにをそんな貢献しましたって顔しとんねん?
さんざんミスしてくれたな、なにか言うことないんか?」


 でかいミスしたんなんて、ホント最初だけやろうが!?
1年半働いた人に言う言葉を知らないのか?
さっさ辞めて欲しかったなら首を切れや
おれにならなにを言ってもいいとでも思っているのか?


なにをそんな貢献しましたって顔しとんねん?……
俺の中で残り続ける言葉やろうな。
そして貴の存在も…
強烈なやつやった。最悪の上司やった。
このホテルでの仕事の中で学んだ数少ないことの中で
こんなやつがこの世にいることを知ったってことがある。



ポジティブに行こうぜ。